〜日常からみる政治〜 パートさんとの意見交換からみる今回の参院選
参院選というか、参政党の話になっています。
最近わたしの働いている職場でもたまに選挙(政治)の話になる。以前は政治についての話などみんなしなかった。なぜ最近するようになったのか。これは、みんな物価高などで生活が苦しいということと、SNSから流れてくる情報などの影響があるんだろう。
わたし個人としては、国民が政治について考えるようになってるのはまあいいじゃんってのと、いままで政治がどうとか話をしてなかった人たちが話し始めてるのは、よほど追い詰められてきてるんじゃないかって感じがしている。庶民が政治を政治家にまかせてあーだこーだ口挟まないってのはまあ平和な証拠ではありますよ(いろんな見方がありますけどね)。
今回の選挙でやはり注目されるのは参政党の存在かなと思う。
参政党に投票した(する)というパートさんおふたりと話していて、その支持の方向性としては、わりと差異があるなと思った。
パートさんのひとりAさんは、参政党の国家観みたいなもの(日本に誇りを持てるような国家モデル)を支持しているというお話をしていた。神谷代表の演説動画を見て、「この人はいいことを言うのよ」「日本人ファーストじゃないと...」という感じだ。これからの日本と日本人観のあり方に興味をもっていて、おそらく現在の(過去も含めた)日本の国家(政権)のヴィジョンの曖昧さというのかな、場当たり的で足場のしっかりしない国家への不安、その反動が参政党支持につながっているのだと思う。参政党は選挙ページや演説などで、日本という国の国家観みたいなものは、(もちろんそこに賛否がでてる状況だが)しっかり示している。
個人的にこれは結構強いんじゃないかと思っていて、ほかが手取りを増やすとか消費税撤廃とかそういう話に終始していて、これからの日本の国家モデルみたいなおおきめの話をしている政党がほかにあまりいない(もちろん、各政党もそういう話をしているが、それがおもてにあまり出てこれていないというのもあろう。そもそもおもてとは何か、これも大きな問題ではあるかなと思う)。そういう話を(意識的にも無意識的にも)求めている層は一定数いて、これは参政党が支持を集めているひとつの要因かなと思う。
もうひとりのパートBさんは、参政党の「子育て支援」政策を中心に支持しているという話をしていた。参政党がうちだしている、0〜15歳へ月10万円の子育て教育給付金という政策だ。そのパートさんは前述のAさんに比べて子どもがまだ小さい、15歳未満の子どもを三人育てている。「月30万もらえればこんなに毎日あくせく働かなくてもよい」正直な意見だ。実現性はともかく魅力的な政策である。ちなみに国民民主党と迷っているという話もしていたので、参政党支持というよりは参政党の子育て政策が魅力的なのだろう。強烈なアンチ自民党化しており、その理由はお金を落としてくれないからだ。以前はれいわに投票していた。なぜれいわをやめたかはよくわからないが、おそらくSNSの影響だろう。TikTok視聴層なので、ショート動画のトレンド傾向に大きな影響を受けていると思われる。
日本をどういう国にするかとか、わりとおおきめの国家観の話をしている参政党が支持を集めているという部分(たぶん排外主義とかはそれに付随した話だ)と、国民の手取りを増やすような、経済政策の話をしている党に支持が集まるという部分にわかれている気がする。後者の層は、政策次第では参政党から離れるだろう。
どちらにしても、日本という国家に対する不安と生活苦があらわれているものだと思われる。それを、国家観を示すことで処方するか、政策を示すことで処方するかという違いである。参政党は、この両方を(ガバガバかもしれないが)一応打ち出しているので、支持を集めているんじゃなかろうか。もちろん、SNS広報に力を入れているというのもありますけどね。単なるポピュリズム政党であるという考え方もあると思う。
パートさんたちは休憩中はだいたいスマホでTikTokだyoutubeだかのショート動画をチェックしている。困窮で不安な気持ちと愛国心をブーストさせるのはスマホでSNSをチェックする環境で、煽るような、焦らせるような、また安心させるような動画やコメントがSNSにあがってくる。みんな不安と処方を繰り返しているのである。この処方箋をうまく書き出さないと、これからの政治はうまくいかないだろう。
前半に出したAさんに絡めた国家観の話は結構重要だと思っていて、「日本がどういう国であるべきか」とかそういう大きめの話をしないと、もうだめなんじゃないか。場当たり的な、空気的な国策ではBさん的な浮動票が増えるばかり。国家百年の計。もちろんそういう話自体に保守系の匂いを感じて嫌う人がいるのはわかりますけどね。わたしも得意じゃないです。今回はいい機会なので、他の政党もそういう話をするべきタイミングなんじゃなかろうか。もしくはそういう話がきちんと、フラットにできる場所の創出ですね。
いきなり
おわり
ちなみにわたし自身が参政党支持者みたいに思われそうだけど、特に参政党支持ではないです。